ゆきゆきて、釣りバカ。


3月2日(火)
 朝、後輩の岡山を引き連れて菊名へと向かう、お互い遠征前だということでテンションが高い。我々の気合を象徴するかの如き荷物の多さも手伝って移動も大変でした。いつも使ってる最寄り駅でホームを間違えるなど、様々なトラブルに見舞われつつも、無事到着。SHUEIくん家のクルマに載せてもらって竹芝へ。チリ地震に伴う津波警報で出船が遅れたおがさわら丸に乗り込み25時間の船旅がスタート。船に弱い私は、酔う前に寝るという作戦を選択。気が付くと日付が変わってました。

 3日(水)
 二度寝、三度寝を繰り返しているうちに父島に到着。殆どが夢の中だったため船旅の余韻といったものは皆無でした。早速お世話になる民宿「シルバームーン」さんに向かう。おがさわら丸の待合所から徒歩1分、激近。
 女将さんに挨拶して、荷物を置いた後。とりあえず街を散策。東京から船で25時間、ぶっちぎりで日本で一番遠い観光地ということで、失礼ながら相当な僻地を想像していたのですが、予想に反して賑やかでキレイな町並みが広がっていました。各々が思い思いの店に入ったりして楽しむ。
 ひとしきり散策を終えたところで日が沈み、道具を持って宿の前の護岸へと向かいました。私はシーバスロッドにワーム。去年小笠原を訪れたかなでさん曰く、「メアジだのキントキだのが入れ食い」とのことだったのでそいつらを狙うことに。しかし、偶にアタリが出るものの、現実は入れ食いとは程遠く私はボウズでした。
DSCF0585.jpgSHUEIくんがメアジを釣った。
 その他、女性陣がキントキやタカサゴ(たぶん)をぽつりぽつり釣り上げました。そいつらを使って第一次サメ討伐を試みたもののアタリすらなく終了。メアジを刺身にして夕ご飯を食べ就寝。

 4日(木)
 朝、青灯台へと向かう。狙いは回遊魚、去年の遠征組はここでヒレナガカンパチを釣り上げているので各自気合が入る。イカ野郎ことKOTAくんはエギ振ってました。昼頃まで頑張ったもののボウズ。ベイトが居なかったのが原因だろうか?
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 昼過ぎ、コマセを仕入れて青灯台へと向かう。これなら手堅く色々釣れるはずだという予測は見事に裏切られ、コマセを撒いても寄ってくるのはオヤビッチャに似たロクセンスズメダイというサカナとベラ系の小魚がチラホラ程度。完璧離島仕様の私のタックルは、彼らにとってヘビーすぎた様でアタリすらなし。ヤバ気な雰囲気。
 ショアジギなどを並行運用していると地元の釣り人に声を掛けられたので色々と話を伺う。後で知りましたがこの人は釣りのガイドさんでした。
 このおじさんと話していると新たな地元オヤジが登場。つなぎに捻り鉢巻、どこかで見た顔だと思ったら、去年かなでさんたちがお世話になった仰天丸という釣り船の船長さんでした。釣りトークタイムへと突入。

 で、分かったことは「青灯台はイマイチ釣り場としての魅力に欠ける。」という驚愕の事実、暫し唖然。ちょっとした絶望感を味わいました。仕方ないので女性陣にはエギロッドに小物釣り仕掛けを付けたタックルを貸して遊んでもらうことに。ちっこいヒメブダイとかロクセンスズメダイが釣れてました。そんな光景を見ていると釣り上げられたサカナにサメが寄ってきていることに気が付く。ホワイトチップと呼ばれるサメでした、標準和名は恐らくネムリブカ。船長が石鯛用のワイヤー仕掛けを下さったので、ショアジギロッドに装着し、スズメダイを付けて投入するとヒット。猛烈な引き、5秒後に堤防の角に擦れてラインブレイク。ダメダメな感じ。
 夜、第二次サメ討伐作戦決行。青灯台で石鯛竿を持ち込み状況開始。岡山にライトタックルでエサを釣らせて、それらを付けて海へと投入。惨敗。

 5日(金)
 朝、寝床を抜け出し海へと向かう。シーバスロッド片手にライトゲームを楽しもうという腹積り。早朝の父島は非常にさわやかで気分がいい。岸壁を一通り探った後に海岸へと向かう。
DSCF0619.jpg海がきれい過ぎる。
 膝まで海に浸かって釣りを楽しむ、大してアタリはないが景色だけでも充分な味わい。アイルマグネット90mmで岩礁付近を探っているとヒット。
DSCF0626.jpg名前はわからないけど可愛らしいハタが釣れました。南国気分。

 その後、自衛隊基地付近まで歩いたところで今度は川を見てみることに。狙いはテラピア。

 水深30cmくらいの川ですが魚影はすこぶる濃かったです、至るところにサカナがいた。しかしながらコイツらはなかなか神経質な性格のようでルアーに興味を示さないどころか、人影が写るとすぐに逃げやがる。悔しいので手を換え品を換えで1時間ばかり挑み続けましたがダメでした。そういえば真昼間からデカウナギがくねくね泳いでいるのも目撃。平和な光景だ。砂浜に戻って河口を攻めてみるとダツが登場。
DSCF0636.jpgルアーを取られずに済んだのは僥倖と言えるだろう。

 ささやかな幸せをかみ締めているとSHUEIくんらが砂浜に現れる。海の青さに興奮したSHUEIくんは海に飛び込んではしゃいでいました。で、ケータイ水没。美しすぎる自然は時に人間と電子機器を狂わせるみたいです。

DSCF0652.jpg南国チック
DSCF0654.jpg海がキレイ過ぎて申し訳ない気分になってくる。

 釣りしたり、砂遊びしたりと各々楽しんでました。


 昼、原付を借りて散策。小港海岸へと向かう。
DSCF0665.jpgなかなかに壮観。
 小港海岸は静かな浜辺でした。その後、前日教わった州崎という地磯へと向かい夕マズメを攻めることに。

 SHUEIくんと岡山と私はショアジギ、KOTAくんはエギという布陣。磯は広くていい感じ、足元を60近いアオブダイが泳いでいたりして青灯台とは一味違う。喜び勇んでジグやポッパーを投げ倒しましたがSHUEIくんに3度ほどハタらしきアタリがあったのみ。そのうち沖にダイバーが浮かんできたのでショアジギ組は一次休憩。KOTAくんの様子を伺いに行くと、あっさりアオリを釣り上げやがりました。
DSCF0783.jpg500~600といったところでしょうか?

 暗くなるまで投げてみたもののショアジギにサカナの反応はなく、最後に女性陣に私のタックルを渡して投げてもらい終了。結構がんばったんだけどなぁ…。
DSCF0802.jpgイカ野郎も参戦。

 6日(土)
 この日は南島ツアーとホーエルウォッチングに参加しました。カッコイイキャプテンが超絶な操船テクニックで我々を南島へと誘う。
DSCF0828.jpg  DSCF0853.jpg  DSCF0869.jpg

 ちなみに南島っていうのは父島の近くにある無人島で、島全体が保護区となっています。そのため、東京都が指定したガイド同伴で一日の上陸人数が定められていたりします。上陸後も決められた歩道以外の移動は禁止、上陸前には靴底を洗浄して環境を守るという徹底ぶり。ほぼ手付かずの自然が残る日本で稀有な存在の島です。以前読んだ椎名誠の本でその存在は知っていましたが、実際上陸してみるとその壮大さに驚かされました。空も海も果てしなく青い…。

 南島上陸後、こんどはホエールウォッチングへと移行。鯨が悠々と泳いでいる様をみんなで観察、あいつらデカいですね。

 そしてツアーが終わると、次は別れの時間。1航海で帰宅するきえさんをみんなで見送りに。
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 話には聞いていましたが、おがさわら丸が出港するときに島の船がお見送りしてくれました。ちょうど卒業シーズンということで上京する島の人も多かったみたいでなんだか賑やか。父島の高校生は石の墓場Tokyoでどんな生活を送ることになるのでしょうか?

 離れ行くおがさわら丸をしんみりと見送りつつ、2航海滞在の我々は次のプランへと移行。と、言っても特に決めてなかったのでSHUEIくんと岡山は原付で洲崎へ、KOTAくんとてるみさんと私は二見港へライトゲームをしに出かけました。

 ルアーロッド片手に港内をうろちょろするものの反応が薄い。桟橋の際をネチネチやっていると漁船に乗ったおっちゃんに声を掛けられました。釣りトークへと発展、今の時期の小笠原は釣りにはちと早いとの情報を得る。ショック。

 おっちゃんはおがさわら丸の見送りに参加した後、行きがけの駄賃として沖で釣りしてきたみたいで我々に1mはあろうかというサワラを見せてくれました。このときおっちゃんの船に骸骨のペイントがしてあることに気付く、船名は『海賊丸』。これはもしかすると去年奏さんがお世話になった船かもしれない…。

 色々と話を続けていると、おっちゃんがイカ狙いで船に乗せてくれることになった。しかも学割とかいって激安。「20分後に出るから準備して来い!」と言われる。一端おっちゃんのクルマで宿へと戻り、速攻で支度。出船。

 途中、おっちゃんが上着を忘れたり、アンカーを忘れたりしたものの大きなトラブルはなく、猛スピードで向島へと向かう。
DSCF0962.jpg途中で遠くに鯨が見えた。

 ポイントにはもう一隻別のボートがいました、あっちもイカ狙いみたい。ただ広い場所だったんで我々も釣りは可能。アンカリングしてから釣り開始、既に夕マズメで辺りが段々と暗くなっていく絶好のタイミング。
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 エギを投げてわかったんですが、このポイント水深が浅くて根がキツイ。そして潮流がカッ飛び、なんかすごいことに…。潮上に投げたエギは猛烈な速度で手前に寄ってくるためフォールの必要なし。というか常にリールを撒いていないとシャクルのも難しい。ならばといって潮下に投げるとエギが浮き上がってフォールしない。何投かするうちにお気に入りのアオリーQが根掛り、そしてロスト。

 気を取り直して、奏さんが「ぜってー持ってけ!」とおっしゃっていたエギ王Qのグローに付け替え、潮下へとキャスト。ベールを返して落とし込みシャクル。2投目でヒット。写真はないけど500gといったところでしょうか?

 その後も追加を狙って投げ続けたもののアタリもなく終了、19:00頃帰港しました。おっちゃんにお礼を言ってから宿に戻って夕食の準備。先に帰宅していたSHUEIくんらに船に乗せてもらったことを自慢し、イカを見せびらかす。しかし、地磯組も負けておらずSHUEIくんがイカを、更に岡山の野郎が30cmほどのメッキを釣り上げていた。
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 この日の夕食はメッキの刺身とイカの刺身、更にイカキムチチャーハンとなかなかに豪勢でした。翌日はカヤックツアーがあるので一同早めの就寝。

7日(日)
 この日は午前中にシーカヤックツアーに行きました。これが09:00頃からのスタートだったんで私は早めに起きて二見港へライトゲームやりに行くことに。
 「メッキでも釣れないものか。」と水中を覗きながら散策していると発見、60cmくらいあった、デカい…。GTというには小さいが、メッキというにはでか過ぎるおサカナが岸壁の際でのんびりしてました。シーバスタックルで大丈夫なものかと心配でしたが、目の前のサカナをやり過ごすなんてことは出来ずにルアーを投入。しかし、着水と同時にどっかに逃げていきまいた。残念。

 その後湾内をちょこちょこと打っていくと最初に釣れたのがエソ。

DSCF1005.jpgまぁ、釣れれば楽しいです。

 で、新たなサカナとの出会いを求め彷徨っていると前日にお世話になった海賊の船長がいたので色々話を聞くことに。釣りの話とか島の話なんかをしつつ、なにげなく足元に落としておいたルアーに掛かったのがコイツ。
DSCF1012.jpg謎ハタ、おっちゃんに聞いても名前はわかりませんでした。


 そうこうしているうちに時間になったので宿に戻る、ガイドさんが迎えに来てくれた。ここで予想だにしなかった展開が。宿の周りに釣具が散乱している光景を見たガイドさんが一言。「イカが釣れるかもしれないから道具持ってきな。」。
 まさかこんなところでカヤックフィッシングが出来るとは思ってもいませんでしたが、お言葉に甘えてエギングタックル一式をいそいそと準備、出発。

 砂浜についてから一通りカヤックの乗り方についての指導を受け出港。二人乗りカヤックだったのでてるみさんはガイドさんと同船。他はSHUEIくんKOTAくんの立教ペアと岡山と私の中央ペアで乗り込む。
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 初めてカヤックに乗りましたが思ったよりしんどくなくて快適。ゆったりとクルージングを楽しみつつ、ガイドさんに教えてもらったイカポイントでエギを投げる。
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 しかし、カヤックが結構な速度で移動しているためエギをしゃくるのが大変でした。結局10投もせずに終了。沈船がある砂浜に上陸。各々砂浜で遊んだり木の実を拾ったり、とりあえず砂浜からエギを投げたりして過ごす。
DSCF1145.jpgこの頃はまだ元気でした。

 ひとしきり学生らしくチャラい遊びに精を出していたところ、なんだか岡山の様子がおかしいことに気が付く。どうやら裸足で海に入っていたらサンゴで足を切ったらしい…。
DSCF1166.jpgこの頃はまだそれ程深刻な事態だとは思わなかった。

 「なにやってんだよwww」とか言いつつ不謹慎な写真なんかを撮ってからかっていたんですが、後に事態が結構深刻であることに気が付く。大事をとって帰りは私が一人でカヤックを漕いで出発したビーチへと戻りました。
 負傷部を水に着けない様にする為、足を組んで仰け反った岡山と、麦わら帽子を被った幸薄そうな男(私のことですが)の対比は、傍から見ると大層面白かったようで、後に「重役カヤック」と命名されました。

 ツアー終了後、「サンゴの傷は後が怖い。」というガイドさんのアドバイスに従い岡山を診療所へと移送。ガイドさんには迷惑を掛けてばかりで非常に申し訳ない気分になりました。

 岡山を診療所へと送り届けた我々は昼飯を食べて暫し休憩。木登りしてみたり今後の予定を確認したりしている内に岡山帰還。
DSCF1187.jpg結局12針だか縫って、松葉杖突いて戻ってきました。

 傷の痛みとココロの痛みでテンションがガタ落ちになった岡山を放置して私は釣りに行くことに。可哀想だとは思いましたが、とりあえず縫合初日は安静にしといた方が良いと思ったし…。

 海賊や仰天丸のおっちゃん曰く「デカイの釣りたけりゃ釣浜に行け。」とのことだったので最初は釣浜へと向かう。意外と宿から近かった。駐車場から城ヶ崎の地磯の様な遊歩道を5分ほど歩くと浜に到着。しかし、先端には既に3人ほど人の姿が。仕方がないので前日に行った州崎でお茶を濁すことに。SHUEIくんたちは海賊のオヤジさんにお世話になってイカ釣りに行ったみたいでした。

 ショアジギやって2回ほどアタリがあったものの1回はバイトのみ、2回めは5秒ほどのやり取りでフックアウトと散々。暗くなるまで頑張ったんだけどなぁ…。

 宿に帰るとKOTAくんとSHUEIくんがそれぞれ1パイずつアオリ釣ってきてました。船長はキロオーバーを2ハイ釣ってたみたいです。

 8日(月)
 朝、潮位の確認なんかせずに釣浜へと向かう。人はいなかったものの潮が高くて入釣は難しそう、一人だけで心細かったし。一端宿へと戻る。ちょうどKOTAくんとてるみさんが二見港に釣りに行くところだったのでそれに付いて行く事にしました。この日はイカの切り身も用意してとにかくサカナを釣ることが目標。

 スロープの際や桟橋の下など、如何にもなポイントを探っていくもののイマイチ反応がよろしくない。
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 でもまぁ、ハタとかがポツポツと釣れたので良しとしましょう。
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 昼前に宿に帰り、町を散歩。釣具屋でボニンコーヒーなぞを所望しつつ情報収集。オヤジさんに言われたポイントを探してKOTAくんと原付で彷徨っていると仰天丸の船長と遭遇。なんだか父島にいる間、毎日どこかで出会っていた気がする。ここでも情報収集をしてみると、やっぱり陸っぱりでやるなら釣浜が最高であるとの結論に達する。おっちゃんに釣り場に入るタイミングや狙うべき場所などなどを聞いてから宿に帰りました。

 この日はレンタカーが使えたので、各自思い思いの道具を満載して釣浜へと向かう。私は石鯛竿とショアジギタックルを持ち込みました。

 若干水に濡れつつも先端に到着、他の釣り人もおらず貸しきり状態でした。兄島との水道が最も狭くなっている地点だということで、海は一目見ただけで分かる激流。下手な川よりよっぽど流れが強い、足場は低く、先端部は足元からストンと落ち込んでいて水深はおよそ25メートルとのこと。更に驚いたのは、推進50cmもないハエ根の上に体長60cmはあろうかというブダイが数匹何食わぬ顔で泳いでいることでした。全てにおいて私が知ってる海とは違う…。
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 嬉しくなって速攻で準備して釣り開始。手始めに見えているデカいブダイを釣ってやろうと、石鯛竿に中通しの25号を付け、80lbのハリス、そしてヒラマサの20号にイカの短冊を付けて投入。ガツガツアタリが出る。

 しかし、エサをついばんでいるだけのようでハリ掛かりしない。悔しくなって色々試しましたが竿が重いこともあってすぐに諦めました。そこで「ブダイ釣りたい。」と口にしたKOTAくんに石鯛竿を押し付けて私はショアジギの準備、とりあえず80グラムを結んでキャスト。わかっちゃいたけど潮に流されて全然着底しない…。

 手持ちのジグ(120グラムまで)では底を取ることは不可能と判断し、80グラムでやり続けることに。40カウントしたあたりから巻き始める、3投目くらいでアタリ。これまでアワセが足りずフックアウトしてばかりだったので、このときはしっかりとアワセを決めてがっつりフッキングさせることに成功。

 今まで体験したことのない強烈な引きでしたが、そこまで走らないし、リールも巻ける。コイツは取れるサカナだと確信してヤリトリ。ただジグが潮に流された関係で、ハエ根に沿ってラインが出ていることが不安材料。サカナが根に向かっている感じがして、どうしようかと思っていたところ、強烈な締め込みで竿がノサれる。結局PEラインが根ズレてラインブレイク。やっちまった…。暫し呆然。

 この時KOTAくんに感想を求められたので、欧米風に「ガッデム!」と回答。その瞬間から私のあだ名が「ガッデム森」となる。極めて不名誉な称号ゆえ、さっさと返上したいものです。

 でも、こんだけ良い場所なんだからその次もあるだろうと楽観的に考え釣り再開。試しにジグを足元に落としてしゃくっていたら何故かウメイロモドキっぽいサカナが引っ掛かったので石鯛竿に付けて泳がせておきました。

 ウキを注視しつつジグを振るっていると、いつの間にかシーバスロッドに持ち替えていたKOTAくんになにやらヒット。私の失敗を目の当たりにしたからか、有無を言わさないゴリ巻きファイトで水揚げしたサカナはメッキ。それも40cmくらいある。
DSCF1253.jpgようやく小笠原っぽいサカナが登場。

 「いいなー。」と妬ましい視線を送りつつ眺めているとまたヒット。引き続きゴリ巻きで仕留めたのは同じくメッキ。35くらい。
DSCF1258.jpgイカ野郎による突発的一人メッキ祭が開催されていました。

 どうやらワンド内にアジ系が回ってきたみたいで、KOTAくんは遠くに物凄い水柱が立つのが見えたと言ってました。私もポッパーに付け替えてワンドを探ろうと思いジグを回収していたところ、足元にとんでもない魚影が。恐らくメーターオーバーと思しきカンパチが水面直下でヒラを打っている光景を目撃。ジグを回収し、すぐさま泳がせタックルを付近に再投入したものの反応なし。おいおい…。

 夕方を向かえ、状況はよくなってきていたものの、この日は17:00から海賊の船でカマスを釣りにいく予定になっていたため、後ろ髪を引かれながらも釣浜を後にしました。もっと早くこの釣り場にくるべきだったという後悔だけが胸に残る。

 17:30、足怪我していても船ならなんとかなるだろうという予測の下、岡山を引き連れ、SHUEIくんと共に漁港へと向かう。私らの他に、2人の釣り人がいました。船長入れて6名で出船。早速、船長に足の怪我のことを聞かれた岡山が「松葉杖」と命名される。

 ポイントは二見港沖で、客船用ブイ付近。水深は20mといったところ。船長と他のお客さんはエサで、私らは20グラム前後のジグを付けてカマスを狙う。ちなみに何回かアンカリングに失敗し、その度に船長に「学生!アンカー上げろ!」と言われ、アンカーを水中から引き上げる作業を体験。学割という名目で、破格で船に乗せてくれる船長の男気に少しでも報いるために頑張る。なかなかの重労働でしたが、割と楽しかったです。

 カマスの方は随分と渋く、エサが時たま取られる程度でジグにはアタリもない…。岡山は浅八丸で開眼したジグサビキに付け替え、SHUEIくんは鯛ラバを試したりしてました。私も何か工夫をしようと考えていましたが突如船酔いに襲われてダウン。暫く夢と現の境界を彷徨っていました。

DSCF1262.jpg岡山がハタ釣った。

 エサを付けて底付近を狙うとハタが釣れてましたが、船長曰く「湾の中の根魚は寄生虫もってるから食わない方がいい。」とのことだったので丁重にリリース。SHUEIくんも鯛ラバで何か掛けてましたが、結局バレちゃいました。私は胃からコマセを出したりしているだけでボウズ。狙いのカマスは船長とほかのお客さんが1尾ずつでした、なんか調子悪かったみたいです。

 港に帰ると、我々の貧果を哀れんだ船長が自分が釣ったカマスを恵んでくれた。およそ50cm、デカいです。ついでにサカナをおいしく捌く術も伝授してもらった。本当に色々とお世話になりっきりで申し訳ない。
DSCF1263.jpg船長と記念撮影。

 皆様、父島を訪れた際には『海賊丸』がおススメです。船釣、瀬渡し、それぞれ1名からでも受け付けてくれるそうなので単独釣行でも安心。かっこいい船長が、すっごく親切にしてくれますよ。


 そんなこんなで、この日の夕食はアオリの刺身にアオリとほうれん草のバター炒め、メッキ・カマスの刺身と豪勢でした。父島最期の夜をみんなで満喫し、翌日の母島への移動へと備え就寝

 

 

9日(火)
 母島に移動、父島と比べるとまさに最果てといった風情。トボトボと歩きつつ今回お世話になった民宿『ママヤ』さんへと向かう。キレイで快適な宿でした。

 で、夜に母島丸が着いた漁港に釣りに行く。岡山がメアジらしきサカナをバラしたのみでパッとしない感じでした。あと母島で同時滞在となった海洋大の方々から赤イカの切り身をもらった。

 10日(水)
 母島二日目、レンタカーで東港へと向かう。到着早々、KOTAくんがイカ釣った。
DSCF1341.jpg透き通っていてなんだかアオリに見えませんでした。

 ジグ投げたり、ポッパー投げたりしましたがこれといったサカナは現れずになんだかしょんぼり。
DSCF1288.jpgDSCF1286.jpgでも、ハタさんが遊んでくれましたんで癒されましたが。

 夜は前日行った漁港でアオリとか。
DSCF1323.jpgDSCF1319.jpgイカ野郎、被弾。

 漁港内で船の掃除してたおっちゃんが「40キロくらいのカッポレがいる。」と言ってたので見に行く。そしたらホントにいた。冗談半分で石鯛竿にイカの切り身を付けて投入したところ、いきなり食いついてきてビックリ。1秒位で吐き出されましたが…。小笠原の本気を垣間見た気分でした。この日は海洋大の人からサワラの切り身を貰った。


 11日(木)
 丸一日できる最後の日。売店でサンマやらを買い込みコマセも準備、なにがなんでも釣ってやるといった気持ち。東港へ行く。フカセをやってみたもののなんだか異様に渋い、気合入りまくりのタックルで挑んだんですが些かアンマッチだった様子。テンションダウン。

 ポッパー投げてたら真正面でありえない水柱を立てながら何者かが追ってきたものの食わせきれず。

 小物釣りで釣れたベラを泳がせてたら妙にデカいハタが掛かった。さしたる抵抗も見せずに足元まで浮いてきたんですがどうもハリ掛りしていなかったようでタモ網の前でエサを吐き出して悠々と海底へと帰っていきました、やれやれ。

 昼頃、他のメンバーが飯を食いに宿に帰ったんですが、私は一人居残りで釣りしてました。オジサンを泳がせてたらとんでもないアタリがあって一人大興奮。前回の失敗を活かしてじっくり食い込ませてから渾身のアワセ。凄まじい引き、30秒くらいでハリスが切れた。もう、いいや。

 その後はSHUEIくんが40くらいのブダイを釣った。夜の部へと移行。
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 前日のカッポレリベンジということで漁港へ行く。SHUEIくんと岡山にメアジを釣ってもらって、そいつらを泳がせる。サメが掛かる。どうにもできずにバラす。
DSCF1404.jpgDSCF1405.jpgDSCF1408.jpg


 悔しいのでロープにハリを付けて泳がせを敢行、すぐにアタリが出る。みんなで綱引き状態で無事ランディング。
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 このとき、サメと一緒に泳いでいるサワラを目撃しました。メアジも釣れなくなったし、グダグダになりつつ終了。ちなみにこの日海洋大の人たちはオフショアジギングに出て10キロのカンパチをはじめ、多数のサカナを水揚げしてました、おこぼれに預かる。


 12日(金)
 最終日。一端父島へと移動。
DSCF1431.jpg海洋大が見送りにきてくれた。

 父島でお世話になった『シルバームーン』へと挨拶に行ったり、お土産買ったりして過ごす。そうこうしているうちに船の時間。後ろ髪を引かれながら乗船。
DSCF1486.jpgこの日も見送りは賑やかでした。
 船内で知り合ったおっちゃんにビールをご馳走になりつつ東京へと帰る。


 13日(土)
 東京着。長かった遠征が終わりました。
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 SHUEI君のお母様が迎えに来てくれていたので乗せていってもらう、更には晩御飯までご馳走になる。ありがたすぎて申し訳なくなりました。




 と、まぁかなり駆け足ではありますがこんな感じの小笠原遠征でございました。
 本当に夢のような島でしたよ、私らはあんまし大したサカナは釣れませんでしたが…。今回の遠征はSHUEIくんやKOTAくん、そして私にとっては人生における一つの区切りだったんですが、その区切りをあの島で迎えられたということは本当に幸せだったと感じます。行こうと思ってもなかなか行ける場所じゃありませんしね。
 大して旅をしている人間ではないのですが、「日本にもまだこんな場所があったのか。」と思うほど素晴らしい場所でした、島の人もみんな親切だったし。

 悔しい思いも沢山しましたが楽しい思いも沢山しました。次がいつになるのかは皆目見当も付きませんが、いつかまた、必ず訪れようと思います。そのときはいい釣果が出せればいいのですが…。

 長いようで短い2週間でしたがご一緒してくださった皆様、本当にありがとうございました。これからもよろしくお願いします。


 おしまい。